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給与前払いと前借金は同じではありません!

給与前払いと前借金の違い

「今月ピンチなんで、10万円前借りできますか?」と従業員さんが言ってきて、すんなり10万円を渡したとします。

さて、その10万円はすでに労働した分の賃金のうちの10万円でしょうか?
それとも働いていない分も含んでいる10万円でしょうか?
このふたつのパターンには大きな違いがあります。

給与前払いとは

給与前払いというのは、給料日より前にすでに働いた分の賃金のうち一定額を支給することです。

すでに働いた分を算出し、その一部あるいは全部を給料日の前に支給し、残額を給料日に支給します。

前借金とは

前借金とは漢字が意味する通り、お金を借りることですね。

使用者と労働者の間で金銭の貸し借りがあると、どうしても将来の労働を担保にお金を借りるというニュアンスがでてきてしまいます。

しかし、借金とお給料は完全に切り離してください。
お給料で前借金を差し引いて支給してはいけません。

労働基準法第17条(前借金相殺の禁止)

「使用者は、前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金を相殺してはならない。」

必ずしなければならないこと

それは働いた分の賃金計算です。

働いていない分まで先に支給してしまうとそれは金銭を貸してしまうことになります。

そして、給料日にすでに支給した分を控除して残額を支払うと「前借金の相殺」に該当し労働基準法第17条違反となる可能性がでてきます。

給与前払いをする際は、働いた分の賃金計算をその都度行いましょう。

何事もきちんと線引きをするという意識が大切です。